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七歳児が遠くから見た徳島大空襲:岸本 宏美

最終更新日:2016年4月1日

 板野町羅漢 岸本 宏美

 今回、徳島市が募集をしているので、田舎の一少年が見た遠い日の記憶を、記録として参考にまとめました。
 徳島大空襲のあった昭和二十年七月四日は、私が七歳になったばかりのころの出来事でした。
 私の実家は板西町(現板野町)吹田の一番北側で、高徳本線・県道一号線・大坂谷川の集まる所にあり、標高約三十メートルで東南東から南西の間は見通しのよい地点で、県道に面して建っていました。
 子供のときなので月日は覚えてはいませんが、当時天気の良い日はB29が編隊を組んで南西の方から高尾山の山頂を越えて毎日のように飛んで行きました。飛行機雲を引いた四発の白い大きな飛行機がよく見えました。そのときは、京阪神地方が空襲を受けているような報道はされていなかったようで、まだ、怖いといった気持ちではありませんでした。
 国民学校に入ってから先生から、家の鍋・釜の鍋墨を持って来るように言われて、かき集めて持って行きました。その後、学校の講堂の壁と農協の蔵の白壁に樹木の絵を描いて、カモフラージュをしました。この絵は戦後も長い間残っていました。
 当時、警戒警報や空襲警報は毎日のように発令されていて、家の電球も防空用で下だけ照らすようになっていました。その上に風呂敷などを掛けて、夜間光が外に漏れないように用心をしていました。
 徳島大空襲があった日には、ちょうど、母の従兄妹にあたる西宮市に住んでいるおじさんが来ていました。徳島駅まで直線距離十二・五キロほど離れていたが、おじさんは空襲のことをよく知っていたので気がついたのか、夜中に起こされて、家の前の土手に上がって眉山の方を見ると、焼夷弾が落ちて、途中からまた広がって落ちて行くのがよく見えました。下一面は炎で赤くなり、飛行機も反射で赤く染まって見えるほど低空を飛んでいたように覚えています。
 このように、焼夷弾が何回も何回も落とされていました。遠方の出来事でまだ子供であったので恐怖感も少なく、新聞・ラジオもあまり報道をしなかったのか、近所で話題になったような印象はありませんが、夜間に実家の軒先に避難をしに来る人が居たのを覚えています。
 徳島大空襲の前後に北西の方から紙の焼けた灰が沢山降ってきました。これは高松市の空襲で焼けた襖の紙であったと大人が言っていました。この当時は報道規制があったためか、被害のあったことは見た者しか知らないような状態で、徳島大空襲直後に写された眉山からの写真も(県外に就職をした関係か)何十年もしてから知ったようなことでした。
 戦後初めて徳島に行ったのは四年ほどたってからで、駅前にはバラック建てがまだ残っていました。
 直接、空襲は体験していませんが、後から広島・長崎・東京や沖縄などの惨事を知ってからは、被災された方々はB29が腹の白い人食いザメで、えさを求めて血に染まった海面で群れを成してひしめいているのを海底から見上げているような、逃げ場の無い、ぞっとするような怖い思いをしたのではないかという思いが残っています。
 進駐軍が徳島に入った日(十一月二日)は後から知りましたが、実家の前から大坂地区にかけて県道と大坂谷川が平行していて家も何も無く見通しがきくので、高松から大坂峠を越えて来たジープや幌(ほろ)掛けしたトラックなど二百メートルほどの行列が一斉に休憩をしたのを、竹槍の訓練をしたことのある祖母と一緒に外に出て見物しました。
 家が県道に面していたため、このような状況も見ることができました。まだ子供で怖さが無かったのでじっくり見る余裕がありました。姉達は学校に行っていたのかこのことの記憶は無いようです。

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