放射線科
最終更新日:2023年4月1日
診療科の紹介
個々人の病態に最適となる治療実践を心がけています。
検査部門では、早期診断・早期治療につながる検査を心がけています。
放射線治療部門では、主に悪性腫瘍に対する外部照射(体の外から病巣に放射線を照射)や小線源治療(放射線の出るカプセルを体内に挿入して内部から照射)を行っています。放射線治療は悪性腫瘍を治すための根治治療として、あるいは悪性腫瘍による症状を和らげるための緩和治療として、様々な場面で効果が期待できます。
令和3年4月には、外部放射線治療装置が更新されました。これまで以上に精度の高い、体への負担が少ない治療を実施していきます。
また、令和3年10月よりIVR(インターベンショナル・ラジオロジー、画像下治療)を開始いたしました。
取り扱っている主な疾患
放射線治療:悪性腫瘍全般、甲状腺眼症やケロイドなど一部の良性疾患
代表的な疾患の診断、治療方針
当院で実施している放射線治療は以下の2種類です。
- 外部照射装置(リニアック)を用いた外部照射
- 前立腺癌に対する小線源治療
外部照射について
令和3年4月にリニアックが更新され、高精度放射線治療装置が導入されました。従来の治療に加え、新たに高精度照射が可能になりましたので、代表的なものをご紹介します。
画像誘導放射線治療
リニアックに備わるイメージング装置で、2次元~4次元画像まで取得して骨格の位置から動く病巣の位置まで正確に把握し、病巣を狙い撃ちすることができます。
高精度放射線治療装置
定位放射線治療
体内の小さな病巣に対し、大線量をピンポイントで照射する治療技術です。治療回数は病巣の大きさや個数に応じて1回~10回程度で終了します。主に脳転移や肺癌などに用いられます。
肺癌に対する定位放射線治療
肺の病巣に限局した照射が可能
脳転移に対する定位放射線治療
脳の病巣にピンポイントで照射
光学式体表面トラッキングシステム
照射部位の位置を合わせる際、通常は皮膚に書いたマークを参照していますが、本システムでは光スキャナで体表面を走査して3次元画像を取得し位置を合わせることができ、皮膚マークよりも正確な治療体位が再現できます。
光スキャナで体表面を走査
体位のずれは光で表示される
呼吸同期照射
呼吸と共に動く体内の病巣に対し、胸壁や腹壁の動きをモニターすることにより、呼吸に合わせた照射が可能になり、より病巣に限局した照射をすることができます。肺癌や乳癌、肝癌、膵癌など胸部や上腹部の病巣に対して用いられます。乳癌においては深吸気息止め照射(DIBH)を行うことにより、心臓への線量をより低く抑えることが期待できます。
患者さん装着用のゴーグル
前立腺癌に対する小線源治療について
当院では転移のない限局性前立腺癌に対し、2020年3月から小線源治療を開始しております。当院における小線源治療の特徴は、以下のとおりです。
- ヨウ素125による低線量率小線源療法を行っています。
- 低リスク~高リスクまで対応しています。高リスクに対してはトリモダリティ(小線源+外部照射+ホルモン治療)を行っています。前任の徳島大学病院ではトリモダリティにて良好な治療効果が得られています。
- 放射線治療の副作用として問題となる直腸障害に対して、スペーサー(前立腺と直腸との間にゲル状の物質を挿入する)を使用し直腸線量の低減に努めています。
詳しくは密封小線源療法をご確認ください。
小線源治療計画
前立腺に限局して高線量投与が可能
医師紹介
職名 |
氏名 |
認定資格 |
専門分野 |
---|---|---|---|
総括部長 |
日本医学放射線学会画像診断専門医 |
画像診断 |
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診療部長 | 古谷 俊介 | 日本医学放射線学会放射線治療専門医 |
放射線治療 |
主任医長 | 岩本 誠司 | 日本医学放射線学会放射線診断専門医 |
放射線診断学 IVR(Interventional Radiology: 画像下治療) |
非常勤医師 (元副院長) |
仁木 孝明 | 画像診断 |
|
非常勤医師 | 神原 康夫 | 日本医学放射線学会放射線診断専門医 |
画像診断 |
診療実績(2021年)
■ 放射線科検査 |
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---|---|---|
|
乳腺エコー |
776 |
RI検査 |
108 |
|
CT |
13,628 |
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MRI |
3,547 |
|
■ 放射線科治療 |
3,097 |
学会施設認定
日本医学放射線学会
放射線科専門医修錬機関(放射線治療部門)
