血液内科
最終更新日:2023年4月1日
診療科の紹介
病状に応じた適切な治療を提供します。
総括部長 橋本 年弘
当院は日本血液学会認定専門研修教育施設であり、血液内科は造血器腫瘍や難治性血球減少症を主たる診療対象としています。
血液・骨髄検査、リンパ節生検などの病理組織検査やX線、CT、MRI、超音波検査、PET/CT検査(可能施設へ依頼)などの画像検査を行うことにより、速やかに診断を行い、適切な治療に努めています。
血液外来を行っているほか、緊急時には随時対応しています。空気清浄度の高い環境での治療を提供できる入院無菌治療室を合計9床運用しているほか、必要に応じて簡易無菌装置も利用しています。
血液内科では入院加療を要する場合が多いですが、可能な場合には外来化学療法室を利用した治療をすすめています。エビデンスに基づいた標準治療を行い、造血幹細胞移植の適応例では移植病院と連携して治療を行っています。
取り扱っている主な疾患
造血器腫瘍
リンパ腫、急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、骨髄増殖性腫瘍など。
難治性血球減少症
再生不良性貧血、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病など。
代表的な疾患の診断、治療方針
リンパ腫
リンパ腫が疑われる場合のリンパ節検査
リンパ腫は、約6割の症例で頚部、腋窩、鼠経などのリンパ節腫脹がみられます。その他には、鼻腔、咽頭、甲状腺、消化管、肝、脾、肺、皮膚、骨髄、眼、脳などのリンパ節以外の様々な臓器に発生します。病型によって進行度、治療法、治療効果、予後が異なるために、病変部から組織を採取して病理診断を行うことが重要です。
リンパ腫の可能性を疑いリンパ節生検を行う場合は、標本をホルマリン固定するだけでなく、フローサイトメーターによる表面抗原解析、免疫組織染色、遺伝子検索による検討を行います。
主な治療方法は、抗がん剤、抗体療法などの薬物療法と放射線療法です。病型や病期、年齢、全身の状態などを考慮し、相談して選んでいきます。治療効果を判定するためには、CTやPET検査を行います。
治療効果が不十分な場合には、さらに強い化学療法や造血幹細胞移植を行うこともあります。
白血病
急性経過の急性白血病と、慢性経過の慢性白血病に分けられます。さらに、がん化している細胞系列により骨髄性とリンパ性に分けられます。
急性白血病では、白血病細胞が骨髄を占拠して正常造血機能を抑えるために、赤血球、白血球、血小板ができなくなります。その結果、赤血球減少による息切れ、動悸、倦怠感などの貧血症状や、好中球減少による発熱や、血小板減少による出血症状がみられます。
白血病の診断には骨髄検査が必要です。骨髄検査は皮膚消毒、局所麻酔の後に腸骨(骨盤)に針を刺し、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引して採取します。細胞形態だけでなく細胞表面抗原や染色体、遣伝子検査も行い、診断します。
治療は抗がん剤、分子標的療法などの薬物療法、造血幹細胞移植が中心となります。
無菌治療室
ベッド上に垂直層流式無菌装置を設置
当院では、入院加療を要する血液疾患患者さんの感染症リスクを軽減し医療水準の向上を図るために無菌装置、空調機器、滅菌水供給装置などを設置し、無菌治療室3室(個室1床、4床室8床)を運用しています。
また、必要に応じて簡易無菌装置も利用しています。
医師紹介
職名 |
氏名 |
認定資格 |
専門分野 |
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総括部長 兼 がんセンター長 兼 外来化学療法室長 |
日本内科学会総合内科専門医 |
血液内科 |
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診療部長 兼 感染制御室長 |
日本内科学会総合内科専門医 |
血液内科 |
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主任医長 |
日本内科学会総合内科専門医 |
血液内科 |
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非常勤医師 (元副院長) |
渡辺 滋夫 | 日本内科学会総合内科専門医 |
総合内科 |
診療実績(2021年)
リンパ腫 | 31例 |
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急性白血病 | 10例 |
慢性白血病 | 2例 |
骨髄異形成症候群 | 1例 |
多発性骨髄腫 | 9例 |
骨髄増殖性腫瘍 | 1例 |
溶血性貧血 | 2例 |
特発性血小板減少性紫斑病 | 4例 |
学会施設認定
日本血液学会認定専門研修教育施設
