関節治療センター
最終更新日:2018年4月1日
人工関節置換術を中心とした関節再建、また数多くの脊椎脊髄疾患に対する迅速かつ高度な診断・治療を推進するため、平成24年4月1日より当院整形外科内に、脊椎・人工関節センターを設立し、平成30年4月1日より関節治療センターに改名致しました。急速な高齢化社会を迎えつつある日本においては、脊椎疾患や関節疾患のため、歩行などの日常生活動作に支障をきたしている中高齢者が増加しており、このような患者さまの生活の質を改善することが、当センターの最も重要な使命と考えております。
医師紹介
職名 | 氏名 | 認定資格 | 専門分野 |
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非常勤医師 |
千川 隆志 | 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄病医 脊椎脊髄外科指導医 日本体育協会スポーツ指導医 |
脊椎・脊髄外科、脊椎内視鏡手術 |
非常勤医師 | 中川 偉文 | 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本整形外科学会認定リウマチ医 |
整形外科一般 脊椎、脊髄外科 |
職名 | 氏名 | 認定資格 | 専門分野 |
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センター長兼 |
中野 俊次 | 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄病認定医 日本整形外科学会リウマチ認定医 日本リウマチ学会専門医 |
関節外科(股関節、膝関節) |
主任医長 | 中村 勝 | 日本整形外科学会専門医 | 整形外科(関節外科、外傷外科) |
主任医長 | 吉岡 伸治 | 日本整形外科学会専門医 |
関節外科(股関節、膝関節、肩関節、足関節) |
非常勤医師 | 島川 建明 | 日本整形外科学会専門医 徳島大学医学部臨床教授 徳島大学医学部講師 |
関節外科 特に人工関節手術、関節鏡手術 |
職名 |
氏名 |
認定資格 |
専門分野 |
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副センター長兼 |
岸 潤 | リウマチ・膠原病内科 |
診療体制
脊椎手術は脊椎外科指導医で脊椎脊髄病医の千川隆志非常勤医師と脊椎脊髄病医の中川偉文非常勤医師が主に対応しています。
人工関節手術は整形外科の専門医である中野俊次総括部長、中村勝主任医長、吉岡伸治主任医長、島川建明嘱託医が主に対応しています。
対象疾患
脊椎疾患
脊椎後縦靭帯骨化症、頚椎症性脊髄症、脊椎管狭窄症、脊椎骨折、椎間板ヘルニア、脊椎腫瘍、脊髄腫瘍、脊椎感染症、脊髄損傷など(脊椎や脊髄の病気や外物により四肢の痺れや麻痺のある患者さま)
関節疾患
変形性股関節症、大腿骨頭壊死、変形性膝関節症、膝関節骨壊死、関節リュウマチ股関節、膝関節の骨腫瘍、外傷による関節壊死など(痛みや歩行障害がある患者さま)
特徴・方針
合併症予防のための対策
- 高性能のMRI(核磁気共鳴映像法)やCT(コンピューター断層撮影)による診断と手術計画の適正化
- 脊髄モニタリングによる手術の安全性の向上
- 手術室のバイオクリーン・ルーム化と呼気排気装置の着用による周術期の感染予防
- 感染対策委員会による病院全体のハード、ソフト両面での同種の感染予防対策
- 肺血栓やDVT(深部静脈血栓症)への対応としての循環器内科の協力による診断治療のシステム化
骨欠損の大きい症例への対策
院内骨バンクによる同種骨移植システム
その他
週刊朝日掲載の全国統計「手術件数でわかるいい病院(2012年)」
THA:人工股関節置換術は126例であり、全国で46位、四国で1位、中四国で2位でした(再置換を除いた手術症例数)。
またTKA:人工膝関節置換術は167例であり、全国で49位、四国で2位、中四国で3位の実績でした。
なお、「手術件数でわかるいい病院(2011年)」では
THA:人工股関節置換術は125例であり、四国で1位、中四国で3位でした(再置換を除いた手術症例数)。
手術実績と特徴
(1)脊椎手術では、年間の手術件数は平成19年から平成23年まで180例、183例、177例、199例、207例と毎年着実に症例数が増加しています。これらの手術件数は徳島県内ではトップであり、中四国でも上位の症例数と思われます。
当院の脊椎手術の特徴は除圧だけでなく、不安定性やアライメント異常を伴う特に難易度の高い固定術が多いことであり、脊椎固定術は平成19年の30例から平成23年の80例と毎年著明に増加しています。また、内視鏡下手術は当然でありますが、脳神経外科専門医と連携しての脊髄腫瘍手術も多数行っています。
年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 |
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年間総数 | 180 | 183 | 177 | 199 | 207 |
除圧術 | 100 | 106 | 95 | 103 | 96 |
固定術 | 30 | 45 | 54 | 67 | 80 |
内視鏡手術 | 46 | 27 | 25 | 25 | 26 |
脊椎腫瘍 | 4 | 5 | 3 | 4 | 5 |
(2)人工関節手術では、再置換術を含めた年間の手術件数は平成19年から平成23年まで178例(THA86例・TKA92例)、252例(THA119例・TKA133例)、294例(THA125例・TKA169例)、306例(THA135例・TKA171例)、343例(THA157例・TKA186例)と着実に症例数が増加しています。(THA:人工股関節置換術、TKA:人工膝関節置換術)
ちなみに人工関節手術件数(再置換を除いた手術症例数)の平成22年度の朝日新聞の全国統計(手術件数でわかるいい病院)では、当院のTHA:人工股関節置換術は126例であり、全国で46位、四国で1位、中四国で2位でした。
TKA:人工膝関節置換術は167例であり、全国で49位、四国で2位、中四国で3位の実績でした。 股関節では、通常の股関節手術だけでなく、高位脱臼例や以前に受けた人工関節のゆるみ、脱臼例、感染例などの再置換手術も行っています。
また、膝関節でも高度の変形膝、人工関節のゆるみや脱臼例や感染例の再置換も股関節同様に行っています。
このような重症の患者さまでは股関節や膝関節のご自分の骨が不足している場合があり、同種骨移植により患者さまの負担を最小にして、安心して人工関節手術を受けられるように、同種骨移植システムを完備しています。
さらには、輸血による血液の病気の伝染を防ぐために、患者さま自身の自己血の貯血システムと手術中や手術後の回収血システムも行っています。
実際のデーターにて人工関節を受けられた患者さまの99%は、患者さまの血だけで手術は可能でした(同種血輸血回避率99%)。
人工関節手術の最も危険な致死性の合併症は、肺血栓症(エコノミー症候群)としてよく知られていますが、厚労省の静脈血栓塞栓予防ガイドラインを完全に実施しています。ちなみに、過去25年間、当院での人工関節手術で肺血栓症による死亡例はありませんでした。
人工関節手術は整形外科の専門医である中野俊次総括部長、中村勝主任医長、吉岡伸治主任医長、島川建明嘱託医が主に対応しています。
人工股関節置換術(最小侵襲手術)について
当院では、症例に応じて約10cm以下の皮膚切開で筋肉を切らない前方からの手術法を取り入れています。この方法では筋肉をまったく切離しないために術後の痛みが少なくまた、筋力の回復が早くなることが期待できます。
年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 |
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年間総数 | 178 | 252 | 294 | 306 | 343 |
人工股関節 | 86 | 119 | 125 | 135 | 157 |
人工膝関節 | 92 | 133 | 169 | 171 | 186 |
