医療安全管理
最終更新日:2016年4月1日
医療現場では、医療従事者のちょっとした不注意が、予期しない状況や、医療上望ましくない事態を引き起こし、患者さまの健康や生命を損なう結果を招くことがあります。
病院および病院職員には、患者さまの安全を確保するための不断の努力が求められており、日々検討を積み重ねる中で、患者さまに実害を及ぼすことのないような仕組みを院内に構築していくことが必要です。
当院では、このような考え方のもとに、職員個人レベルでの事故防止への取り組みと、病院全体での組織的な事故防止対策の二つの対策を推進することによって、医療事故の発生を未然に防ぎ、患者が安心して医療を受けられる環境づくりを進めています。
組織体制の整備
毎月定例で開催している医療安全管理委員会
医療安全を対当する医療安全管理室を設置しています。また、各診療科や看護単位ごとに医療安全推進担当者(セーフティマネージャー)を配置し、各職場における医療体制の改善やインシデント、アクシデント、クレーム、合併症・副作用情報の収集などにあたらせています。
また、セーフティマネージャーなどから構成する安全管理委員会、その下部組織である医療安全管理部会を設置し、各種マニュアル類の検討や、発生したインシデント(※注)やアクシデント、クレームをもとにした業務改善の検討を行うともに、職員への周知を図っています。
※注 インシデントとは、一歩間違えば事故になる可能性があったような事例のことです。当院では、些細なインシデントであっても報告するよう職員に奨励しており、病院全体で改善策を検討し、全職員に周知することにより、安全管理体制の向上を図っています。なお、インシデントやアクシデントなどの報告を容易にするため電子カルテ上に報告・伝達システムを登載しています。
当院の医療安全管理
関連委員会
- 医療事故防止委員会(下部組織:医療事故調査委員会)
- 感染対策委員会(下部組織:感染対策チーム)
- 倫理委員会
- 薬事委員会
- 放射線安全管理委員会
- 輸血療法委員会
- 医療ガス安全管理委員会
- 化学療法委員会
- サービス向上委員会
- 以上の他、各部署単位の委員会を設けて業務改善の研究検討を行っています。
徳島市民病院 医療安全標語<医療安全部会作成>(PDF形式:203KB)
医療安全管理指針、各種マニュアルの整備
職員が共通認識の下に病院の医療安全体制づくりを行うための指針(徳島市民病院医療安全管理指針(PDF形式:249KB))を整備するとともに、各部門、業務ごとの医療事故防止のための具体的方策をまとめた医療安全管理マニュアルを作成し、日常業務において安全の徹底を図っています。
相談窓口の設置
院内に相談窓口を設置し、医療安全面をはじめ患者さまからのいろいろな相談に対して、担当者が誠実に対応させていただいています。
その他の対策
1.医療事故防止研修
職員の医療安全に対する意識、技能の向上等を図るため、外部講師等を招き、職員対象の研修会を開催しています。(全職員を対象とした毎年2回以上の開催を義務づけています)
2.内部監査
医療安全に関する監査チームを設け、定期的に職場ごとの監査を行い、問題点がある場合はその改善を指示する体制としています。
3.薬剤対策
薬品棚は、名称類似薬品や外観類似薬品の隣接を避けるようにしています。また、薬品名は規格単位を含めて各薬品マスターに登録しています。
投与量のチェックを厳しく行うべき薬品は、電子カルテの入力時にワーニングが出るようにしているほか、薬剤部では電子カルテと調剤監査システムの両方で確認を行うようにしています。
投与法について注意が必要な薬品については、注意事項等を記載した薬袋に入れて払い出しをしています。
抗癌剤については、薬剤部において各科別レジメンオーダー(1品目毎でなく、薬剤ごとの適切な組み合わせ、用量、投与時期等)をチェックするようにしています。
患者さまへの投与ミスを防ぐため、患者さま・薬品・看護師のバーコードによる3点チェックを実施しています。
4.インフォームド・コンセント(説明と同意)の徹底
当院では、すべての医療行為について、その内容を患者さまやご家族に説明し、十分納得していただいた上で診療を行うことを原則としています。ご自分の病気、治療法等についてご不明な点があれば、何度でもご説明させていただきますので、遠慮なく主治医や看護師に質問してください。
5.医療機器の適正管理
医療機器については、定期的な点検を実施するとともに、新たな機器を導入する場合は、使用方法についての研修を行っています。
医療事故発生時の対応
患者さまに望ましくない事象が生じた場合には、病院側の過失によるか否かを問わず、まず、病院の総力を結集して、可能な限り救命と被害の拡大防止に努めます。また、院内のみでの対応が不可能と判断された場合には、遅滞なく他の医療機関の応援を求め、必要なあらゆる情報・資材・人材を提供し、対応してまいります。
また、事故が発生したときは、救命措置に支障を来さない限りできるだけ速やかに、事故の状況、現在実施している処置、その後の見通し等について、患者さまご本人、ご家族に誠意をもって説明させていただきます。また、事故原因等を十分に調査検討し、再発防止の徹底を図ります。
※ 当院は医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ”参加病院です。
医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ”はこちら(外部サイト)
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