家庭でできる浄化対策
最終更新日:2016年4月1日
人が一日に出す汚れは、BOD負荷量(生物学的酸素要求量)に換算すると43gと言われています。
この内、汚れの代表のように思われているし尿は、13g(30%)を占めています。しかし、し尿を、なにも処理もせずそのまま河川や水路に流している家庭はまずありません。ところが、台所や風呂、洗濯から発生する汚れは、30g(70%)を占めているにも関わらず、過半数以上の家庭でなにも処理もせずそのまま河川や水路に流されています。
一番、汚れの発生が大きい場所が、台所です。
食べ物は清潔なイメージがありますが、川へ流れこむと大きな汚濁源となっています。余った味噌汁や残った煮汁など食物残渣を流さない工夫が必要です。
料理をするときは
- 余分な量をつくらない
味噌汁やスープは人数分量だけ計量して用意しましょう。煮汁やだしも少なめにつくりましょう。 - 煮汁の再利用をする
魚の煮汁の残りを利用して、野菜を煮る、筑前煮の煮汁を利用しておでんを煮るなど残った煮汁を利用する等工夫してみてください。
使用済みの油は
- 絶対に捨てない
油は、炒めものに使用するなどで使い切ることが一番です。どうしても残った場合は、廃油石鹸つくりや肥料つくりに活用できます。
食事の時は
- 食べ残し飲み残しはやめましょう。
好き嫌いは、環境にもよくないね。
洗い物をするときは
- 汚れ物は、汚れの少ないものから洗い、洗剤を使わなくていいものは水洗いだけにしましょう。アクリルたわしを使えば、軽い油汚れなら洗剤を使わなくても大丈夫です。
調理屑や食べ残しは
- 三角コーナーや排水口ストレーナーに、ろ紙袋等をつけて、細かい調理屑まで回収しましょう。古くなったストキングを利用するのも一つです。
- 三角コーナーに、調理屑や食べ残しを入れる場合は、水道水で流し込まない。汚れを流しだしてしまいます。
庭のある家庭では
- 米の磨ぎは流さないで、植木の肥料に使用してはいかがでしょうか。
- 生ごみ処理容器(コンポスター等)を利用して、調理屑も堆肥に利用できます。
台所の次に汚濁負荷が高いのは、風呂場、洗濯場です。
各洗剤は、使用説明に記載されている使用方法や使用量を守りましょう。
洗剤は規定量より多く使っても洗浄力に差はありません。目分量で洗剤をいれると、入れ過ぎるケースがほとんどです。特に、全自動洗濯機では規定量より多くの洗剤を使うと、洗濯ものに洗剤が残り、かえって黄ばみの原因にもなる場合があります。
汚れが落ちてないからと、2度洗いするではなく、予め部分洗いしておくことが大切です。
浄化槽を設置している家庭では、適正な管理を行なわなくてはなりません。
浄化槽は、機械的に汚れを除去するものではなく、機械の中でバクテリア(微生物)を飼って、バクテリア(微生物)の働きで、排水中に溶けた汚れ(栄養分)を、泥状の固形分に変えて取り出せるようにして、汲み取れるようにしたものです。バクテリア(微生物)が、活動できるように流れこむ汚水の量や季節の温度変化に合わせて、機械を調節する必要があります。
浄化槽は、正しい使い方をしましょう。
浄化槽は、家庭用の小規模なものであっても必ず、法定検査、日常保守点検、清掃の必要があります。法定検査は、指定法人に、日常点検は登録業者に、清掃は許可業者のそれぞれの専門家に委託しましょう。
浄化槽のことを知ってください。委託した業者に、浄化槽の状態を教えてもらいましょう。
