糖尿病の分類

更新日:2021年4月1日

 「糖尿病」はいくつかの原因ですい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの分泌や、働きが十分でないために血糖値が高い状態が続く病気です。ある程度進行しないと自覚症状が現れないため、早期のうちは糖尿病に気づかない人もいます。
 しかし、血糖値が高い状態を放置すると、やがて全身にさまざまな合併症が現れ、生活に支障をきたしたり、命に関わる大きな病気を引き起こしたりすることもあります。

糖尿病の成因による分類

 糖尿病は大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病があります。糖尿病の大部分は2型糖尿病で糖尿病全体の95%を占めます。1型糖尿病ではすい臓の細胞が破壊されてインスリンが欠乏します。2型糖尿病ではインスリンの分泌低下に加え、インスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)、インスリンの作用低下を生じます。1型2型の他に遺伝子異常や他の疾患に伴う糖尿病、また妊娠糖尿病などがあります。

糖尿病の成因による分類と特徴
糖尿病の分類 1型 2型
発症機構

主に自己免疫を基礎にした膵β細胞の破壊。HLA(ヒト白血球抗原)などの遺伝因子になんらかの誘因・環境因子が加わって起こる。他の自己免疫疾患(甲状腺疾患など)の合併が少なくない。

インスリン分泌の低下やインスリン抵抗性をきたす複数の遺伝因子に過食(とくに高脂肪食)、運動不足などの環境因子が加わってインスリン作用不足を生じて発症する。

家族歴

家系内の糖尿病は2型の場合より少ない。

家系内血縁者にしばしば糖尿病がある。

発症年齢

小児から思春期に多い。中高年でも認められる。

40歳以上に多い。若年発症も増加している。

肥満度

肥満とは関係がない。

肥満または肥満の既往が多い。

自己抗体

GDA(グルタミン酸脱炭酸酵素)抗体、IAA、ICA(すい頭細胞)、IA-2抗体などの陽性率が高い。

陰性。

糖尿病治療ガイド2014-2015参照

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