令和2年度 徳島市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 537 103 255 409 533 651 1,211 1,843 1,283 342
当院は、がんセンター、関節治療センター、地域周産期母子医療センターを核に、地域医療支援病院として幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいています。
 その中でも退院患者数は70代が最も多く、ついで80代となっており、60歳以上の患者数が全体の約65%を占めています。他方、地域周産期母子医療センターとして0歳代の新生児・乳幼児も多くご利用いただいています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等 166 2.02 2.66 0.00% 68.25
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 内視鏡的胆道ステント留置術等 処置2なし 副傷病なし 117 7.19 9.53 5.98% 75.99
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査等 処置2なし 73 3.12 3.07 4.11% 74.07 心臓カテーテル検査(手首、肘)
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 66 19.76 18.61 16.67% 71.67
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし リツキサン 45 15.20 11.14 2.22% 77.56
 大腸癌はごく一部のケースを除き、大腸ポリープ (腺腫) から発生することが分かっています。腺腫を悪性化する前に切除することで大腸癌は予防可能です。通常の内視鏡検査と同様に大腸内視鏡検査を行い、ポリープの根元にスネアと呼ばれるワイヤーをかけて、高周波電流で焼き切ります。出血や穿孔の有無を確認するため通常1泊入院で行います。苦痛なく処置が行えるよう心がけています。
 胆管に生じる悪性腫瘍や結石で胆管が狭くなったり、胆汁の流れが悪くなったりすると、発熱や黄疸が出現します。胆管炎を起こすと、細菌が血液中に入り、敗血症に陥る危険があります。このような場合内視鏡を用いて胆管の出口である十二指腸乳頭からチューブを挿入し、胆汁が流れる道を確保します。さらに結石の場合はチューブ挿入で炎症が落ち着いた後に、乳頭を切開したり拡張したりしてから、結石を十二指腸内へ排石させる処置を行います。
 循環器内科では労作性狭心症等の虚血性心疾患に対する血行再建術として、経皮的冠動脈ステント留置術を行っています。冠動脈狭窄病変に対するステント留置により、労作時の狭心症発作をなくし、生活の質を向上させることが可能です。また冠動脈狭窄による心筋虚血は心機能低下を招き、心不全の原因でもあります。ステント留置による血行再建で心筋虚血が改善し、心機能が改善することで心不全治療にもなります。手術は血管内超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)を用いて狭窄病変や血管内部を詳細に評価し、より安全で確実な手技を目指しています。冠動脈ステント治療は3泊4日のクリニカルパスを使用しています。
 次に当科で多い疾患は心不全で、呼吸困難や全身の浮腫等の自覚症状にて来院されます。高齢化に伴い慢性心不全の急性増悪による心不全患者さんが増加しています。心不全治療に関しては酸素投与や薬物治療に加え、ASV(陽圧換気装置)を積極的に使用し、早期の自覚症状改善と入院期間の短縮を目指し治療を行っています。
 間質性肺炎は膠原病や関節リウマチなど自己免疫疾患に伴うものと、特発性のものとがあります。いずれにしても、急性増悪をきたして咳、息切れなどの症状・呼吸状態が悪化した場合、入院による治療が急がれるため、可能な限り紹介に対応しています。原疾患や病状により、ステロイドパルス療法、免疫抑制剤投薬、血漿交換などを行い、一般的な酸素吸入のみで酸素化が保てない場合には、ハイフローセラピーや人工呼吸管理も導入し、救命に向けた治療を実施しています。
 血液がんである悪性リンパ腫は、人口10万人あたり年間10人以上発症しており、年々増加傾向にあります。発症の多くは非ホジキンリンパ腫であり、B細胞性リンパ腫が約80%を占めるとされています。当院では臨床症状や病歴、検査、画像所見等による、速やかな総合的診断を心がけています。診断後は速やかに、化学療法や放射線療法などの集学的治療を行います。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 15歳以上 鼠径ヘルニア手術等 72 5.14 4.86 2.78% 69.24 ヘルニア
060335xx02000x 胆嚢炎等 胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 55 5.96 7.23 0.00% 61.13
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし シクロホスファミド+塩酸エピルビシンあり等 52 2.13 4.15 0.00% 53.69
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術等 処置1なし 50 11.16 10.30 0.00% 59.22 入院治療計画書 乳房切除
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 40 6.28 6.02 2.50% 62.90
 市民病院外科では、肺・縦隔・乳腺・甲状腺・肝胆膵・胃・大腸・肛門等の疾患に幅広く対応しています。
 肺と消化管の手術は原則として内視鏡下で手術を行うようにしています。
 乳がんは手術の性格上、鏡視下手術は行いませんが一時期より温存術が減少し全摘術が増えています。これは整容性が維持できない温存術ではむしろ全摘し症例によっては同時再建手術を行うようになったためです。また、救急外来にも積極的に対応し、夜間や休日などの緊急手術にも可能な限り対応しています。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞 3日以内かつJCS10未満 手術なし 処置1なし エダラボン 副傷病なし RankinScale0~2等 37 22.84 15.64 29.73% 72.92
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他手術あり 処置2なし 副傷病なし 29 10.79 9.68 31.03% 78.86 慢性硬膜下血腫除去術入院診療計画書
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 副傷病なし 15 17.53 8.18 26.67% 50.87
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 動脈造影カテーテル法(選択的に造影撮影) 処置2なし 14 3.07 3.29 0.00% 69.07
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 処置2なし 13 5.92 6.36 7.69% 75.92
 脳梗塞急性期が1位、頭蓋・頭蓋内損傷が2位と3位でした。前年と同様、高齢化に伴い急性期脳血管障害や頭部外傷にて救急受診される患者さんが多くなっています。保存的治療で対応できるような軽症例が多いのですが、特に元々のADL(日常生活動作)が低い場合には長期の入院となりやすく、自宅退院できない場合にはリハビリテーションのため転院率が高くなります。
 脳血管障害においては、頸動脈エコー、心エコー検査、MRI、脳血管造影、あるいは心臓カテーテル検査との同時造影、脳血流シンチなど積極的に検査を進め、原因究明と治療に役立てています。
 てんかん発作の救急対応患者は今回はランキングされませんでしたが、一過性脳虚血性発作を疑わせる患者数が平年より多く、これも脳梗塞を来しうる高齢者の増加によるものと思われます。
 当院としては、これら疾患に対し、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、メディカルソーシャル・ケースワーカー等各職種間で連携しスムーズに診断、治療、リハビリテーションが行われ、適切な時期に転院あるいは退院へ移れるよう、チーム医療としての向上を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 200 27.13 21.03 43.50% 69.44 人工股関節置換術
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工関節置換術等 187 18.24 25.09 94.65% 83.22 大腿骨頸部・転子部骨折
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 175 28.95 23.36 50.29% 76.00 人工膝関節置換術
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 74 2.64 5.18 0.00% 52.66
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 43 14.49 18.81 79.07% 81.86
 当院では2018年4月より関節治療センターとして、整形外科、膠原病内科とリハビリテーション科の3科で関節疾患を総合的に治療を行う唯一の施設であります。特に、変形性関節症や関節リウマチなどの関節疾患に対して確実な診断や薬物治療を行い、改善しない場合は、股関節・膝関節を中心とした下肢関節疾患や手指を含めた上肢関節の外傷・疾患に対して成績の良い手術を行い、患者さんの生活の質の向上を図ることに努めています。
 人工関節置換術においては、ナビゲーションシステムや、ロボットアーム支援手術を導入しています。 
 また、四肢の外傷・骨折、特に骨粗鬆症を有する高齢者の大腿骨近位骨折を中心に、綿密な病診連携を取りながら、安心安全かつ可及的早期に手術を行い、早期離床や歩行獲得に寄与できるように協力しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 処置2なし 294 2.90 6.13 0.00% 0.00
140010x197x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術あり 処置2なし 48 4.77 8.37 0.00% 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 1500g以上2500g未満 手術なし 処置2なし 30 7.87 11.19 0.00% 0.00 新生児_低出生体重児
140010x297x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 1500g以上2500g未満 手術あり 処置2なし 14 9.57 34.40 0.00% 0.00
140010x297x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 1500g以上2500g未満 手術あり シナジス 14 24.86 15.15 0.00% 0.00
 当院小児科では新生児及び一般の小児疾患に対応し、日本小児科学会専門医研修施設に認定されています。
 新生児医療では、NICU6床、GCU11床の地域周産期母子医療センターを有し、日本周産期・新生児医学会の新生児専門医暫定研修施設に認定されています。主に在胎32週以降の早産低出生体重児や新生児仮死及び新生児呼吸不全、先天異常等、様々な疾病を持つ赤ちゃんが健やかに成長されることを願い、24時間365日体制で行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120260xx01xxxx 分娩の異常 帝王切開術等 110 8.85 9.45 0.00% 32.68
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 化学療法ありかつ放射線療法なし 副傷病なし 68 3.79 4.24 1.47% 63.09
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし アバスチン 副傷病なし 68 3.91 4.44 0.00% 60.06
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 52 6.33 6.10 0.00% 43.35 予定腹腔鏡手術
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 48 2.98 2.93 0.00% 46.50 レゼクトスコープ(腰麻)
 当院は長年、徳島県の周産期医療の中核病院として活動してきており、多くのハイリスク妊娠を管理しています。特に切迫早産や前期破水、多胎や妊娠高血圧腎症その他合併症妊娠など、一般産科施設では管理できない多くの症例が当科に紹介されてきており、その周産期管理を専門的に行っております。また新生児集中治療室(NICU)があり、赤ちゃんは出生直後から新生児専門医の治療を受けることができます。
 婦人科部門では婦人科腫瘍専門医がおり、悪性腫瘍に対して手術、化学療法、放射線治療を用いた専門的治療を行っています。腹腔鏡下手術技術認定医もおり、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの腹腔鏡下手術も多数行っています。また子宮体癌に対する腹腔鏡下手術の認定施設でもあります。

耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 52 8.29 7.94 0.00% 22.87
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 44 6.86 6.71 0.00% 60.30
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 34 5.32 4.94 0.00% 58.59
030428xxxxxxxx 突発性難聴 34 7.79 8.81 0.00% 59.09
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 28 6.04 5.63 0.00% 44.18
 鼻がつまったり、ニオイが分かりづらくなったりする副鼻腔炎、夜間の睡眠障害や繰り返す発熱や咽頭痛をきたす扁桃疾患、急に発症しためまい疾患、急に聞こえなくなる突発性難聴などの日常生活の質に関わる疾患、のどの急性炎症による気道の狭窄に対応する必要があり入院治療を受けられる患者さんが多くなっています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - - - -
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷 Burn Index10未満 手術なし 処置2なし - - - -   - 
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く) その他手術あり 処置1なし -  -  - - - 
080010xxxx0xxx 膿皮症 処置1なし -   - - -   - 
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 処置2なし - - - -  - 
 帯状疱疹、蜂窩織炎等の感染症や、熱傷などの外傷が入院の上位を占めています。コロナ禍に伴い、帯状疱疹患者が急増している印象がある一方、コロナ対策のために入院に対する閾値は上昇しており、実際の入院患者数は減少しています。
 患者数が10未満の場合は、(ー)で表示しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 72 2.01 2.76 1.39% 77.68
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 - - - - -
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - - - -
 最も多いのは白内障手術です。また、眼瞼手術も行っています。
 患者数が10未満の場合は、(ー)で表示しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用等 化学療法 副傷病なし 54 7.15 7.05 3.70% 73.17
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 前立腺針生検法 49 2.10 2.54 0.00% 73.61 前立腺生検
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 処置1なし 副傷病なし 44 6.55 5.67 6.82% 61.55 経尿道的尿管砕石術
110080xx9907xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 密封小線源治療 43 4.07 4.11 0.00% 69.14
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 化学療法 副傷病なし 28 9.61 9.96 0.00% 72.50
 泌尿器科では尿路・精器悪性腫瘍および尿路結石症の治療が大きな柱になっています。尿路結石症では、内視鏡で尿道から尿管、腎盂に細径のファイバースコープを挿入して、結石をレーザーなどで細かく破砕し、バスケットカテーテル(結石を捕獲する器具)を用いて結石を体外に取り出す手術(TUL)を主に行っています。
 表在性の膀胱がんに対しては内視鏡による経尿道的膀胱腫瘍切除術や膀胱内薬物注入療法を施行し、転移性の膀胱がんに対しては抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤投与を行っています。筋層浸潤性膀胱がんに対しては、術前化学療法を施行しています。
 検診などで前立腺特異抗原(PSA)が高く前立腺癌が疑われる症例に対しては、経会陰的針生検(約12カ所採取)を施行し、限局性前立腺癌に対しては低侵襲の密封小線源治療を積極的に行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 22 - 16 24 - 19 1 8
大腸癌 22 29 43 34 12 47 1 8
乳癌 53 67 35 11 - 12 1 8
肺癌 24 11 22 73 15 45 1 8
肝癌 15 - - - - 27 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院は地域がん診療連携拠点病院の指定を受けています。 
 5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者数を、はじめての治療(初発)時の癌の進行度(UICC病期分類)と再発で分け、集計しています。
 初発患者数として令和2年度は乳癌が最も多く、次に肺癌、大腸癌、胃癌、肝癌の順となっています。
 Stageは、胃癌ではStageⅣが最も多く、次いでStageⅠ。大腸癌はStageⅢ、StageⅣ、乳癌はStageⅡ、StageⅠ、肺癌はStageⅣ、StageⅠの順となっており、肝癌はStageⅠが最も多くなっています。また大腸癌や肺癌、肝癌では、再発症例数も多くなっております。
 当院ではがんセンターを設け、手術、放射線治療、化学療法、分子標的薬・免疫療法、緩和ケアはもちろん、口腔ケアや心のケア、がん相談なども行っています。 患者数が10未満の場合は、(ー)で表示しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 45 14.73 78.20
重症 - - -
超重症 - - -
不明
 日常生活をしている中で発症した肺炎(市中肺炎)患者について、重症度別、患者数、平均在院日数、平均年齢別に集計しています。(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、対象外となります。)
当院では中等症の割合が最も多く、次に重症、軽症患者がいずれも10症例未満でした。また、重症度が高くなるにつれ、入院日数が長くなり、平均年齢も高くなっています。
 なお令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、前年度と比較すると市中肺炎全体の症例数は減少しています。
 患者数が10未満の場合は、(ー)で表示しています。

 
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 94 19.95 76.51 40.59%
その他 - - - -
 国際的な疾病等の分類(ICD-10)に基づいて、脳梗塞の入院患者数を集計しています。
 3日以内の発症症例(急性期脳梗塞)の患者割合が9割以上を占めています。当院ではそのような緊急性のある疾患に対応できるよう、24時間365日患者を受け入れ、検査し、治療できる体制を敷いております。特に発症後4.5時間以内の超急性期脳梗塞への血栓溶解療法(t-PA治療)にも対応しております。
 迅速に治療を開始することで早期離床、早期リハビリテーションを行い、発症後のADL(日常生活動作)低下防止につなげています。当院は脳卒中地域連携パスに基づき、地域の医療機関とも密接に協力・連携を行い、急性期脳梗塞治療にあたります。
 患者数が10未満の場合は、(ー)で表示しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 139 0.32 1.63 0.00% 68.24
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 112 1.30 9.82 11.61% 77.56
K6852 内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの 等 35 0.51 2.97 2.86% 75.03
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上 29 0.00 1.03 0.00% 67.72
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 27 2.04 2.93 0.00% 73.56 PCI(PTCA・ステント治療)手首・肘
 大腸癌はごく一部のケースを除き、大腸ポリープ (腺腫) から発生することが分かっています。腺腫を悪性化する前に切除することで大腸癌は予防可能です。通常の内視鏡検査と同様に大腸内視鏡検査を行い、ポリープの根元にスネアと呼ばれるワイヤーをかけて、高周波電流で焼き切ります。出血や穿孔の有無を確認するため通常1泊入院で行います。苦痛なく処置が行えるよう心がけています。
 胆管に生じる悪性腫瘍や結石で胆管が狭くなったり、胆汁の流れが悪くなったりすると、発熱や黄疸が出現します。胆管炎を起こすと、細菌が血液中に入り、敗血症に陥る危険があります。内視鏡的胆道ステント留置術は、このような場合内視鏡を用いて胆管の出口である十二指腸乳頭からチューブを挿入し、胆汁が流れる道を確保する方法です。鎮静剤を使用して苦痛なく処置ができるようにしています。
 結石の場合はチューブ挿入で炎症が落ち着いた後に、乳頭を切開したり拡張したりしてから、結石を十二指腸内へ排石させる処置を行います。
 循環器内科では労作性狭心症等の虚血性心疾患に対する血行再建術として、経皮的冠動脈ステント留置術を行っています。冠動脈狭窄病変に対するステント留置により、労作時の狭心症発作をなくし、生活の質を向上させることが可能です。また冠動脈狭窄による心筋虚血は心機能低下を招き、心不全の原因でもあります。ステント留置による血行再建で心筋虚血が改善し、心機能が改善することで心不全治療にもなります。手術は血管内超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)を用いて狭窄病変や血管内部を詳細に評価し、より安全で確実な手技を目指しています。冠動脈ステント治療は3泊4日のクリニカルパスを使用しています。
 次に当科で多い疾患は心不全で、呼吸困難や全身の浮腫等の自覚症状にて来院されます。高齢化に伴い慢性心不全の急性増悪による心不全患者さんが増加しています。心不全治療に関しては酸素投与や薬物治療に加え、ASV(陽圧換気装置)を積極的に使用し、早期の自覚症状改善と入院期間の短縮を目指し治療を行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 89 2.44 4.44 2.25% 65.17
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 53 1.06 2.85 0.00% 68.94 ヘルニア
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 44 3.20 13.07 13.64% 73.14 標準 消化器系〔大腸〕
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 等 41 1.12 4.34 2.44% 63.02 入院治療計画書 乳房切除
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 等 28 0.29 4.11 0.00% 40.00
 胆嚢摘出術や鼠径ヘルニア手術は、当院では腹腔鏡での手術を積極的に行っています。
 大腸がんに対する手術で腹腔鏡下に行われるのが一般的になっています。
 甲状腺は良性腫瘍・がんとも当院の得意分野で内視鏡下手術も積極的に行っています。鏡視下に手術を行うことで術後のダメージが少なくなり、回復も早くなります。
 乳がん治療には様々な職種のケアが必要で医師だけでなく認定看護師や臨床心理士、MSW(社会福祉士)も対応しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 37 2.81 11.97 40.54% 78.70 慢性硬膜下血腫除去術入院診療計画書
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - - 開頭腫瘍摘出術入院診療計画書
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 - - - - - 未破裂動脈瘤入院診療計画書
K1781 脳血管内手術 1箇所 等 - - - - -
 当院は、徳島県で最初に脳神経外科が開設された病院であり、古い歴史をもちます。脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷等に対する外科治療を主体に扱っておりますが、機能的疾患など幅広く対応しています。
 昨年の手術件数1位は、相変わらず高齢者の慢性硬膜下血腫が最多でした。人口の高齢化に伴い、フレイル(老年虚弱状態)を基盤に転倒などによる頭部外傷を受けることが多いものと思われ、高齢者への注意喚起による予防も重要です。最近では、脳動脈瘤のコイル塞栓術や頭蓋外内頚動脈高度狭窄に対して、ステントで狭窄部を広げるCAS(経皮的血管拡張ステント留置術)の手術も多くなっています。
 全国的にも脳動脈瘤治療に関してクリッピングより血管内治療が多く、頚動脈内膜剥離術よりCASが多いようですが、当院でもその傾向があります。Case by caseで対応しています。
 また超急性期脳梗塞に対して、t-PA大量静注療法(血栓溶解療法)、さらにカテーテルによる血栓回収治療にも対応していますので、救急対応をしっかり行いより多くの患者さんの助けになればと考えています。
 水頭症手術が一昨年比較的多く、今回はやや低調となりましたが引き続き二次性だけでなく特発性水頭症にも積極的に対応しようと考えています。
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整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 424 1.32 26.23 45.28% 72.61 人工股関節置換術
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 130 2.05 13.85 86.15% 79.60 大腿骨頸部・転子部骨折
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 等 101 1.97 16.12 89.11% 81.85
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 82 0.99 5.35 13.41% 59.17
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 等 39 0.72 2.82 0.00% 57.23
 当科は手術を中心とした治療を積極的に行っています。2018年4月より関節治療センターとして、股関節・膝関節を中心とした下肢関節疾患および手指を含めた上肢関節疾患に対し確実な診断と手術を行い、患者さんの生活の質の向上を図ることに努めています。股関節においてはナビゲーションシステムやロボットアーム支援手術を取り入れ、正確な成績の良い手術を行っています。
 また、四肢の外傷においても綿密な病診連携を取りながら、安心安全かつ可及的早期に確実な手術を心掛け、早期離床や歩行獲得に寄与できるように積極的に協力しています。

小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 73 0.00 9.89 0.00% 0.00 新生児仮死(第1度;軽度)
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの - - - - -
K7151 腸重積症整復術(非観血的) 等 - - - - -
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢) - - - - -
 当院には日本周産期・新生児医学会の新生児専門医暫定研修指定施設に認定されているNICU6床、GCU11床を有する地域周産期母子医療センターが設置・運用されています。
 小児科分野では、主に在胎32週以降の早産低出生体重児や胎児機能不全児等の分娩(緊急帝王切開を含む)の立ち会いや新生児仮死及び新生児呼吸不全、先天異常等、様々な疾病に対応しています。当センターでは、すべての赤ちゃんが将来にわたり健やかに成長されることを願い、24時間365日体制で地域の新生児医療を提供しています。
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産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 等 95 1.21 6.84 0.00% 32.85 帝王切開
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 等 64 1.95 7.06 0.00% 31.53
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 等 61 1.18 5.02 0.00% 42.41
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 40 1.00 5.58 2.50% 48.95 予定腹腔鏡手術
K867-4 子宮頸部異形成上皮又は上皮内癌レーザー照射治療 26 1.00 1.00 0.00% 35.92
 当院には、多くのハイリスク妊娠が一般産科施設から紹介され管理している都合上、帝王切開率がやや高めとなっています。また出生児は必要ならば新生児集中治療室(NICU)に収容し管理しています。このように当院は徳島県の周産期医療の中心的役割を果たしています。
 婦人科部門では2016年4月に婦人科腫瘍専門医が着任し、悪性腫瘍の手術件数が著明に増加しています。
 また子宮頸がんの前がん病巣に対してLEEP切除(円錐切除手術)+レーザー蒸散を用いて子宮をほぼそのまま温存する治療を行っています。腹腔鏡下手術の技術認定医も在籍しており、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの腹腔鏡下手術も多数行っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 50 1.00 6.50 0.00% 22.92
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 38 0.97 4.87 0.00% 61.71
K3932 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの 13 1.00 1.08 0.00% 68.38
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 13 0.23 5.38 0.00% 37.38
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術 - - - - -
 口蓋扁桃手術では疼痛や出血の危険性が高く日常生活に復帰しにくい期間は入院していただいています。
 扁桃周囲膿瘍では切開排膿を行い気道狭窄のおそれがなく呼吸の安全を確認して退院していただいています。
 アレルギー性鼻炎に対しては鼻汁分泌を抑える手術を、副鼻腔炎手術に対しては全例でナビゲーションシステムを用いて安全で確実な手術を心がけています。
 声帯周囲の病変では、全身麻酔下に喉頭微細術をおこない、必要最小限の操作に限るようしています。
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皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル未満 - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル以上4センチメートル未満 - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル以上6センチメートル未満 - - - - -
 皮膚科単独で行う小手術のうち、病変が大きめのものや、止血しにくいものについては手術室で行っています。コロナ禍において、手術室入室にも検査等のチェックを要するため、ほとんどの小手術は皮膚科外来で、機材を準備して行っている現状です。
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眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 74 0.07 1.00 1.35% 77.46
K279 硝子体切除術 - - - - -
K214 霰粒腫摘出術 - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術 皮膚切開法 - - - - -
 白内障手術、眼瞼手術を行っており、総合病院の眼科として、他科疾患を合併した症例や全身状態の管理が必要な患者さんに対して、他科と連携をとり治療にあたっています。
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泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 77 1.12 7.25 3.90% 73.92 経尿道的膀胱腫瘍摘出術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 56 0.63 7.14 17.86% 73.04
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 40 2.18 4.08 7.50% 59.65 経尿道的尿管砕石術
K8412 経尿道的前立腺手術 その他のもの 等 - - - - - 経尿道的前立腺摘出術
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 等 - - - - -
 表在性の膀胱がんに対しては内視鏡による経尿道的膀胱腫瘍切除術や膀胱内薬物注入療法を行っています。
 尿路結石や腫瘍によって尿管が閉塞して水腎症をきたした場合は、尿管ステント留置術を施行しています。
 尿管の閉塞の原因が尿路結石の場合は、主に低侵襲な内視鏡手術(レーザー砕石術)を行っています。
 前立腺が腫大して尿の閉塞をきたす前立腺肥大症に対しては、内視鏡的に前立腺の内部を切除する経尿道的前立腺切除術を行っています。
 慢性腎不全で継続して血液透析療法が必要な場合は、主に前腕部にある動脈と静脈を吻合する手術(内シャント術)を行っています。
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その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 17 0.24%
180010 敗血症 同一 21 0.29%
異なる 16 0.22%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 36 0.50%
異なる - -
 播種性血管内凝固症候群や敗血症は、DICスコアやSOFAスコア等に基づき評価・診断を行い、適切なコーディングに努めています。
 全退院患者数の中で、入院後に発症した播種性血管内凝固症候群は 0.24%、敗血症は 0.22%と、それぞれ低い数値となっております。
 手術・処置等の合併症の内訳は、人工関節のゆるみや脱臼に対する治療が最も多く合併症症例の中で7割を占めていますが、前年度より減少傾向になります。
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更新履歴
2021/9/29
「病院情報の公表」を公開